母の日に

2007.05.14 Mon

ある母親の一生

昭和のはじめ なに不自由ない農家に生まれ 夢と希望一杯の子供時代
もっとも多感な時期に 戦争そして敗戦  自由恋愛などあるべくも無い
親たちが決めた 半ば否応無しの結婚
相手は シベリヤ抑留帰り の 農家の次男坊
夫の実家には病気の義理妹がいた
今ならたいした病気ではないが 当時は 感染もする怖い病気である
身内でさえも二の足を踏むこの看護を 彼女は己の身も顧みず進んで引き受けた
案の定感染し闘病生活を強いられる
入退院を繰り返し 3人の子を生し ついには肺摘出という大手術を経て 完治

それから45年の後 その手術の際の輸血が原因とされる 肝臓の疾患でこの世を去る事になる

彼女はその人生を悔やむ事も 運命を恨む事も 口に出すことは無かった

でも息子は分かっていたという
好奇心一杯で 旅行好きで 勉強家だった 母親が
今の時代に生まれていたなら

好きな大学に通い 好きな仕事をし 親の反対を押し切っても大恋愛をし結婚し 子供を育て
暇を作っては日本中を世界中を旅して いつも活き々と生きただろうことを

息子は母の運命を恨んでいる だから自分が今あることも忘れて 今の時代に母を生かせてやりたかった と


母の日にちなみ
奔放には生きられなかったこんな母親の時代が ついこの間まであったということを
今の時代に生きる母親たちは こんなに自由で その気にさえなれば思いのままに 充実した人生を送ることができるのだということを かみしめてもらいたいんだ
  1. 2007/05/14(月) 00:48:31|
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