虐待の世代間連鎖 って・・・・・
2006.12.18 Mon
“虐待の世代間連鎖” まことしやかに 叫ばれている。『虐待を受けた経験のある親は 自分の子供を虐待する』
と言う考え。
どうも これには 確固たる根拠は無さそうだ。
世界中でニュースになるような とてつもない凶悪犯罪の犯人などは その傾向が強い事は 心理学者 精神科医などの証言でも明らかだろう。
しかし あくまで数少ない異常な人間に関しての例のようで 一般的な児童虐待などには当てはまりそうも無い。
東京都福祉保健局のHP
児童虐待の実態 〜東京の児童相談所の事例に見る〜
(H.12 全相談事例をまとめたもの)
の 調査報告書を見てみると 実に興味深い。
虐待した親たちがどういう育てられ方をしたか という 『生育歴』 で見た場合
「特に問題なし」「特に心当たりなし」・・70%
「ひとり親家庭」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10%
「被虐待経験」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9.1%
「両親の不和」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.6% という結果である。
虐待した親たちの 被虐待経験は一割に満たないのである。
また 女性が社会に進出して 家庭での養育がおろそかになり虐待が増える などの説もあるらしいが。これも
専業主婦など家庭で子供と一緒の時間が多い母親の方が 虐待の率が高い と言う事実からも 当てはまらないといえる。
虐待をした人間の 『心身の状況』 と言うのがある。
「性格の偏り」・・・・・・・・・・・・20%
「精神病またはその疑い」・・15%
「神経症またはその疑い」・・14%
という結果をみると 精神的要因は虐待に結びつきやすいようである。
そして もっとも大きな影響があると思われるのは 次の 『家庭の特徴』 である。
「就労の不安定などによる経済的困難」・・27.0%
「離婚などによる ひとり親家庭」・・・・・・・23.8%
「夫婦間の不和)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20.1%
「育児疲れ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17.0%
「孤独感」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16.7%
上の要因に
親の精神状態などが複雑に絡みあって 虐待にいたっている と言うのが正しい見方だろう。
どちらにしても 根は深い。
少なくとも “虐待の世代間連鎖” の神話が 当たっていない事は確かだ。
ところで このど素人は 『子供には 必要なら殴ってでも 最低限の躾けをすべき』 と言う考えであることは前にも書いているんだが。
そこで “虐待の世代間連鎖” にも関わる この調査結果に ぜひとも触れない訳にはいかない。
それは 親が「これは虐待ではない 躾だ」と 言い張る例である。
実父は50% 実母は35% にのぼる。
この内 相談所などの説得で 行為そのものは認めても あくまでも躾と称し 信念とまで言い張る親が 実父で23% 実母で13% いると言う事である。
実父による虐待は 全体の24%でありその内の23%が いわゆる 性格が著しく偏った信念の人であり それは虐待全体の5.5%ということになる。
この5.5%を多いと見るか 少ないと見るか。 0であるに越したことはないが。
どちらにしろ この5.5%の虐待は 父親が自分の考えに執着し 行き過ぎ 履き違え そして常識の範囲を逸脱したものである。
信念と呼べるものではなく 偏執の人と言うべきだろう。
では このど素人とどこが違う? と言われそうだが そこは・・・・・・・・・・ “虐待は絶対にいかん” と固く心に 思っている ということぐらいしか言えないのが辛いところ。
躾と暴力との境目は 相談員たちにとっても 実に難しいと言われる。
このど素人が 簡単にみつけられるとは思ってはいない。
ただ『 “愛情” と “真義” に基づいた正しい判断 』 で と言うより他はないだろう。
そして このど素人と同じく 『最低限の躾けの為の体罰は許される』 と考える世の中の多くの人たちのすべては この著しく偏った性格の連中とは 一線を画していることを 自信を持って宣言しておきたい。
尚 上記の調査結果の詳細は
東京都福祉保健局のホームページ
児童虐待の実態
〜東京の児童相談所の事例に見る〜
にて

