あの日
2006.09.16 Sat
いつもの道 朝夕通勤の道 ちょっと住宅街。朝夕は比較的静かなその通りを愛車デスペラードで音に注意を払いながら 十年間通勤し続けた。
十年も通り続けるとそのあたりの住民 道路の利用者の特性も見えてくる。
脇目も振らずチャリンコがとび出す路地 一旦停止をとまらずに通り過ぎる交差点 優先道路であるにもかかわらず必ず“完全停止”してなおかつ“お先にどうぞ”をしてしまうのろのろ車 優先道路側の車が停止しているのをいいことに 一旦停止しないで通り過ぎる車。
こんな傾向のある通勤路でも のんびりと住宅の庭先に咲く季節ごとの花 香り 空気を五感に受けながら 走るのが好きだった。
そしてあの日
いつものように仕事が終わり あの道路を安アパートに向かって走っていた。
日は落ちていた そしてあの“交差点”。
そこは “チャリンコが左右も見ずにとび出す”“デスペラードがもうそこまで来ているのにもかかわらず一旦停止せずにのろのろと車が出てくる”ことを経験した交差点 もちろんデスペラード側が優先道路である。
デスペラードは いきなりとび出すチャリンコに照準を合わせ ゆっくりと交差点に進む。 チャリンコがノーブレーキでとび出してきたとき 突っ込まれることはあっても 跳ね飛ばすことはないスピード でその交差点に入ったわけだ。
勿論 車を意識しなかった訳ではない 車はライトで判断できる。
と その時!
左側から いきなりライトが!
と思う間もなく デスペラードはドライバーと共に
一時停止無視ノーブレーキのトラックに跳ね飛ばされていた。
デスペラードは廃車。ドライバーは右足粉砕解放骨折で救急車。
それから一年六ヶ月 療養リハビリの毎日が続いている。
あの時 優先道路にまかせて スピードを緩めずにあの交差点を通過していたなら あのトラックは空を切っていたのに と思うことがあった。
が 最近連日のように 飲酒運転 運転マナーが問題になっていることを考えるとき。
あのトラックのドライバーはもしデスペラードを跳ね飛ばすことを免れたとしても いずれ 骨折では済まない 取り返しの付かない事故起こすことになっただろう。
つまり 彼の未来を救った訳である。
と 己を納得させ
さあ リハビリ リハビリ。

